11.28.2018

猫のハナちゃん


「左腕には、悲しい思い出しかないです。

だから、大好きな愛猫のハナちゃんを入れたい。」


元気いっぱいのハナちゃんだそうなので、

色はオレンジ、ピンク、イエロー、マゼンタです♪

彫らせていただいた笑顔の素敵なお姉さま、
これからもハナちゃんと共に、
素敵な毎日を謳歌してくれるといいな♪


過去は変えられない?

んーにゃ、私は、変えられると信じています。
お姉さまの腕のように。
自分の考える&見る角度をちょっと変えてみればいいんです。

そういうことを、今
私の周りにいてくださるたくさんの方々から
教えてもらってます^^

ありがたき、幸せ♥

そろそろインド行きたい笑
でも
もっと精神鍛えて、緩めるとこ緩められるようになってから
飛び込みたい土地かな…(笑)

なにはともあれ、モノの見方をもっと学びたいです。

11.21.2018

一年ぶりのブログです。

最後の投稿が2017年9月22日。
あのあと、なにがあったか。

そうそう、
2017年9月27日に、大阪でのタトゥー裁判で
「タトゥーを彫る行為は医療行為」とみなされ、
医師法を適用された彫り師に有罪、
医師免許なしで施術したことを罪に問われた裁判の判決が出たのでした。

うっそでしょ?!と思いました。
だって彫り師はそもそも医師じゃない。
じゃこれからは彫り師になりたいって人は、医大に行くようになるの?
研修医としてどこに行くの?海外のタトゥーショップ?
仮に医師免許持って営業したら、保険とか適用されたりするの?
したらお客さんは逆に安く彫れるようになるしいいかも?
そしたら意外に歯医者さん並みにたくさんショップができて、
タトゥー入れる人増えたりしてw

とか、

国の言い分では
医師免許なくタトゥーを彫る私は犯罪者なわけで、
子ども二人私の稼ぎだけで育ててるけど、
それって犯罪で稼いだお金で子ども育ててるってことになるよね?
なんか、
「子ども育てる自信」なんて、ただですらないのに
ますます、私はダメな母感を上乗せしちゃって
落ち込んだりもしました。

色々想像したけど、結局は

「私アメリカで働いた時、彫り師のライセンス取ったし、
日本でも、そういうシステム作ったらそれで全然足りるんじゃね?」
の、一言で終わる話のようにも思っていました。

だって

国・保健所の懸念は、タトゥーの施術による血液疾患の感染であって、
衛生面の安全性の確保が重要。これに尽きる言い分ですものね。
↓↓↓


実は、2015年(平成27年)5月に、
私の元に
保健所から上記の通知が届いておりました。

実際読んだ時は、
うわーやべーー私捕まるの?!
私捕まったら、こどもたちどうなるの?!
静岡のT3さんや大阪の彫けいさんに
思わず電話して相談して、
とりあえず今回この通知が回ったのは沖縄だけのようだ、
でも業界いつどこに向かって傾くか分からないよね、て流れになって。

で、速攻ホームページも閉業という形で対応して、
徐々に皆さんに知ってもらえる場から、フェードアウトして
仕事も少なくなっていきました。

娘が生まれたのが2015年の3月11日。
新生児迎えて、さあ頑張るぞ!って時に
この通知だったから、
頭を思いっきり殴られた感じでした。


私は、タトゥーを彫る仕事をしていますが、
世の中には刺青が嫌いと言う人がいて、
(私の父は教育者で、刺青入れたやつは人間じゃないと言ってたから
余計意識してしまうんでしょうね。)
その方達の目にタトゥーが触れないように、
いつも長袖を着ています。
その上、
誰でもいつでも、土足で気軽に入ってこられる、
「お店」という形態も好きじゃないので、
看板も出さずにひっそりと仕事をしてまいりました。

それでもネットで、私の仕事を気に入ってくれて、
連絡をくださる皆さんがいてくださったからこそ
今まで15年間、やってこられたのでした。
私の彫師人生で出逢ってくださった皆さんには
本当に心から感謝の思いしかないです。


通知が入っていた封筒の宛名を見ると
保健所はブログを見て、通知を送ってきたのでしょう。
ブログを書くことが
私にとってはアウトプットの役割で、楽しみだったけど
怖くなったのも事実です。
犯罪者として監視されてるみたいで。

2015年5月29日以降も
ブログを細々と続けてきたけど、
2017年9月27日の地方裁判の判決
「有罪」を見た時に、
私の中にあった、希望や楽観的な思いが
全部消えてしまったんだと思います。
つぶやく場も、許されないのか…って。

同業者の方々もどれだけ唇をかみしめたことでしょうか。


その一年前

2016年9月、娘の卒乳も完了した頃に

私は、通信教育ですが、
京都造形芸術大学に編入学し、勉強を始めることにしました。
20歳のころ、大学を中退して家も出て、
両親と疎遠になり
社会に入って
仕事をしてきたので、
勉強したい!っていう気持ちより、
もっと広い世界を見たい!で今までずっと来ちゃったんですが笑

2016年当時、
ちょうど仕事も減ってしまっていたし、
芸術について学びたかったから
今思うとちょうど良いタイミングでした。

そこでは、論述基礎から、色彩と形、
心理学や都市デザインなどの総合科目や

芸術理論、芸術史、人とのコミュニケーションや編集の方法、
地域に根付いた伝統文化や食文化、人と人をつなぐデザインについて、
などなどの、
多くのことを学ぶことができました。

なかでも、
「特定のデザイン・芸術活動や
その成果としての地域の文化資産についての考察」する、
という卒業研究では、

沖縄に古くから根付いていた
女性の手甲に施されたハジチと呼ばれる入墨文化と
現代日本社会にあるタトゥー文化を比較して考察したいと思いました。

卒業研究を通して、
今の国の言いぶんと、現場にいる彫り師としての私の思いを
論文を呼んでくれた人々に問いかけることができたら!と思ったのでした。

実際めっちゃ悩みました笑
いれずみ、どうかな?
テーマとして大学側に受け入れてもらえるかな?
というのもそうだし、
卒業研究が本名と共にネットで公開されるのも知ってたし、
これって「私彫り師です、医師法適用はおかしいです」って
言いきってるのと同じですからね。

いれずみって、
芸術でもなくて、文化でもなくて、医療でもなくて。
どこの分野に行っても仲間に入れない。
そんな不思議なものだとずっと思っていたけど、

大学で芸術について学んだら、
「いれずみは、そもそも造形芸術のはじまりだ
人が生きる上で深く繋がっている文化に大きく関わっているんだ」
ということを学ぶことができました。
だから、いれずみはどこの分野にも仲間になれないんじゃなくて、
どの分野にもまたがってる。
そして、人と人、文化と文化を繋いできたんだと、
江戸・明治なんて通り越した
昔からの壮大なイレズミの歴史と人との関わりに、
じーんとしました。

いれずみは野蛮っていう価値観は
実は江戸・明治の頃の国の為政者たちによって
植え付けられたものであることが分かったし、
だったら今ある価値観を疑って、
新しい価値観を作り上げることもできるんだなって
思いました。

ハジチ文化を調査するにあたって、
気づいたときには社会的にマイナーな文化とされていただけに
多くはないけど人生の先輩方が素晴らしい研究を
遺してくださっていて、
映像資料を観たり、文献を読みながら感動し、涙し、心励まされ、
私も頑張ろうと心強く思ったことが一番
私の大学勉強生活で得た宝物にも思います。

卒業研究にあたって、
素晴らしい資料の宝庫である著書を出されている山本芳美先生、
ビジュアルフォークロアの北村皆雄監督、
写真家の比嘉清眞様、
世界遺産座喜味城跡 ユンタンザミュージアム様
沖縄県立博物館・美術館様、
沖縄美ら島財団様、
那覇市文化振興課様、
東京国立博物館様、
浦添市美術館様、
那覇市歴史博物館様、
宜野湾市立博物館様、
伊平屋村教育委員会歴史民族資料館様、
沖縄県立芸術大学付属図書・芸術資料館様、
そして、新しいものの見方を教えてくれて
私の声を残す場を与えてくれた京都造形芸術大学と、先生方。

大変お世話になり、ありがとうございました。
たくさんの方々に助けていただきながら、
歩き回りながら情報を集め、
ネットでの画像公開においての申請の際にも、
たくさんのことを教えていただきました。
関わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。


さてこちらが、
私の研究論文、レポート程度文字数なので笑
お時間ある時に読んでくださると嬉しいです。
↓↓↓

卒業研究の結果はA判定で合格でした。
そして2018年9月30日をもって
無事に2年間で編入学の卒業要件単位を取得して、
京都造形芸術大学通信教育部を卒業することができました。


そのあとも、
食の大切さを学んだことで畑をはじめたり、
ひっそりと仕事をしてインスタに投稿したりしながら
生きておりましたが、

11月14日、

【速報】タトゥー医師法裁判で逆転無罪
大阪高裁で控訴審判決

を知って、

あーーーーーーーーーーーーーー!!
私、犯罪者じゃないーーーーーーーーーーーーー!!
って、息を大きく吸うことが許された感じと、

裁判長でもまともな人がいるんだ!(失礼すぎで、ごめんなさい)って。
西田真基裁判長、ありがとうございました。
弁護団の皆様、
証人として弁護してくださった皆様、
彫り師業界のいろんな思惑を背中に背負って戦っている増田太輝様、
ありがとうございました。
裁判の行方を気にかけてくれた友達にも
ありがとう。

で、
やっと
ブログ、書ける…って思って
今書いてます。

無罪判決が嬉しくて
自分で自分の足に彫ったカメちゃんはこちら↓


私にとってタトゥーとは、
自分は何者であるかを自分に対して表現できるもので、
それは自分の意識に対するアンカリング効果をも持っている、
究極な自己満足、自己充足の姿です。

明治から昭和にかけての間は特に、
いれずみが大衆文化から追いやられてしまったがゆえに
いれずみ=「特別な人達のモノ」
にされてしまったけど、
今、私は思うんです。
「ヘイ、すべての人が、特別なんだよ。」
と。



こんな具合に、
空白の一年の間に
色々なことがありました。
ただただ飲んだくれていたわけではございませぬ笑


裁判は終わるのか、検察側が納得しないなら上告→最高裁と
なるので、最終的な判決まで気を抜けない上
どんな流れになるか本当に分かりませんが、
私にできることはやって、
仕事において衛生面での守るべきことは守りながら、
初心に帰って、これからも日々精進で
ひっそりと、でもしっかりと頑張ります。

読んでくださっている方がいらっしゃいましたら、
特大の感謝を申し上げます。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。