8.09.2019

沖縄県立博物館でタトゥーについての展示が開催されますよ♪

(↑↑下記ウェブサイトのトップページの画像です)

はっと気が付けば、もう8月に入ってますね!!

さて、2019年10月5日から11月4日までの一か月間、
「沖縄のハジチ、台湾原住民族のタトゥー 歴史と今」(仮)
という企画展が開催予定です。
県立の博物館という、大きくて「県立」というかっちりした場所で
イレズミが取り上げられるのは、日本初!!とのことです。

喜ばすぃ♡

タトゥーは芸術分野からも、歴史&文化分野からも
蚊帳の外扱いをされやすいので、
今回の企画展は彫師としても、とっても嬉しいですねー^^

嬉しいし、何よりも、今回私もお手伝いさせていただいています。
それがもう、さらに嬉しいし、光栄だし、ワクワクだし♡
私のミッションはシリコンの手腕に、ハジチを再現すること。

2019年8月9日現在、
写真左から二組(4本)の腕が彫り終わっています♡


去る6月中旬ころ、
都留文科大学の山本芳美教授から、ハジチの展示についてのお電話をいただきました。

昨年、京都造形芸術大学の卒業研究で
ハジチをとり上げて論文を書いたのですが、
http://g.kyoto-art.ac.jp/reports/1456/

無事卒業後、大学のウェブに卒業研究が掲載されてから、
山本先生の研究と著書には大変お世話になったので、
メールでご挨拶とお礼をさせていただいたところ、
早々に研究を読んでくださって、温かいお返事をくださっていたのでした♡


その後6月中に、
おきみゅー(沖縄県立博物館・美術館)で山本先生とお会いして、
シリコンの腕に彫らせていただけることが決定し、

「シリコン腕、どこで手に入れよう?
いつもお世話になってるタトゥーサプライヤー、
有限会社Wizard T.Sのエルさんに相談してみよう!」と
即電話をかけさせてもらったら、

「OK!折り返し連絡するよー」とのことで
数分後、
「用意できるよー♪展示に使うんならお金いらないよー^^」とお返事をいただき、
シリコン腕を左右で5組、10本を提供してくださることになりました♡
エルさん本当にsweetなお方です♡
ありがたきしあわせ♡

待つこと1週間ほどで、大量の腕が詰まった箱が届きました笑

以来、
デザインのサイズ感やバランス、色味などなど、
山本先生にチェックしていただきながら
進めております!


8月1日↑

シリコンに彫るのは、私の16年の彫師人生の中でお初体験(笑)
みなさんの皮膚に彫らせていただくよりも緊張が走りww、
どっきどきーー!!!

だって、
毛穴がないし、彫っても血液も組織液も出ないし、
インクはやけに吸うしw、
だからか実際入れるインクの色よりも濃く発色するし、

彫った後、人間の皮膚のように治らないので
彫りたての濃い色がずっと続くしで、
とても変な感じです(笑)

で、出来上がったら色が黒すぎーーーでショック( ;n;)
この首里デザインの右手を彫るだけで
四苦八苦して4時間かかっちゃいましたww


気を取り直して
8月7日、

前回の経験を生かして、青みを強く意識して左手に取り掛かりました。
まずはペンで下書きして、
ラインを取ってから、中を埋めていきます。

シリコンの指、間接めっちゃ硬くて曲がらないので、
再現されてるしわの間がえらい彫りづらいのですw

あれ、ちょっとまだ黒味が強すぎるかな?汗
などと
焦りながらも、

墨の色味、文献に残る「水草の花の色のような深青色」を目指し、
調整。

この「水草の花」の名前をご存じの方がいらっしゃるだろうか?
先日嘉手納図書館で、沖縄の水草図鑑で調べたところ、
田んぼに生えるコナギと畑に生える草ルリハコベというのが
色味的に近いのかな?と思ったのですが、どうなんですかね?^^

水草の花のような美しい深青色、を意識しましてー。

あっ、リアルの墨の色っぽいー♪

右手と比べると

右手はタトゥーインクのブラックっぽい。
(それでも青インクのほうが割合多いんですがね)

うーむ。
人間の皮膚だと、
治ると自分の皮膚一枚がインクの粒子の上を覆って
タトゥーの色も明るくなるのだけど、
シリコンじゃ、治らないので、濃いまんま…。

てことは、黒の上からでも
黒より明るい色入れられる&そのままステイするんじゃない?!

と思い、明るい青を右手に黒色の上から刺してみると
あーーーきれい♡

これで、山本先生からもOKいただけて、
二組目の八重山・石垣島デザインに
取り掛かりました。
8月8日、↓
こちらの八重山・石垣島デザインは
首里デザインの経験もあって、
一日(それでも4時間ほどかかっちゃいました)で
両手を彫り終えることができました^^

シリコンはタトゥーアーティストの見習いが練習するというので通常使用されますが、
「本物の皮膚とは違うよ。」っていうことが分かり、
勉強になっています(笑)
やっぱ彫師になりたい人は自分の足や体を使って練習すべきですねー。

彫ったところが治っていく過程も、治ってからどう見えるかも、
やはり本物の皮膚でないとわからないですね♡

人間の皮膚の仕事っぷりは、本当すごくて、感動すらします。
皮膚のすごさを物語る、私のおすすめブック達。

話がそれましたがw


これから奄美大島に取り掛かるために、
手指背文様のバランス確認を先生にチェックしていただいております。

シリコンだと関節が曲がらないので(笑)
じぶんの指に書いて、チェックしていただきます^^


私が彫っているのはシリコン手腕ですが、
ハジチが文化として存在していた時、
お母さんやおばあさん世代のハジチャー(施術師)が、
乙女の若くて細い指に、彼女が生まれ成長してきたよろこびと祝福、
そして彼女の今後の大人の女性としての未来に祝福と祈りを込めて彫ったんだな~と
思い、胸がじんじんしてしまいます。

当時の空気、
音楽や話し声、墨や血液の匂い、
施術のお祝いに用意されたごちそうの匂いなどなどの中
どんな会話をしたのかな?と感じ、
シリコン彫りながら、感激してちょっと泣いてしまいました(笑)

来年40歳になる私(うそ、恐ろしいww)は、
今、20代の若いお姉さんたちに施術させていただくとき、
やっぱり、彼女たちの幸せや活躍を願って祈って彫らせていただくので、
当時のハジチャーのおばちゃんの気持ちに共感できるんですよね。
んで、胸がジンジンして泣いちゃうというww
年取ると涙もろくなるって、本当ですね(笑)


最後になりますが、

こちらの企画展の
会場費、展示構成、宣伝など、イベント開催のための資金を
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